「まだ元気だから」
本当にそうでしょうか
遺言の話になると、よく聞く言葉があります。
「まだ元気だから」
「もう少し先でいい」
「今は考えたくない」
確かにその気持ちはよく分かります。
元気な時に、自分が亡くなった後の話を考えるのは、決して楽しいことではありません。
できれば後回しにしたい。そう思うのが自然です。
しかし、私は相談の現場で、別の言葉もたくさん聞いてきました。
それは、「もう少し早く考えておけばよかった」という言葉です。
人は誰でも年齢を重ねます。そして、判断能力や体力は、少しずつ変化していきます。
問題は、その変化がいつ訪れるのか、誰にも分からないことです。
病気や事故はもちろん、認知症も突然始まるわけではありません。
気付かないうちに進行し、ある日、「遺言を書こうと思ったのに書けなくなった」という状況になることがあります。
だからといって、慌てる必要はありません。ただ、元気だからこそできることがあるのです。
自分の考えを整理すること。家族と話をすること。大切な書類を確認すること。
そして、自分の意思を残すこと。
これらは、元気な今だからこそできる準備です。
遺言は、体が弱った人のためだけのものではありません。
むしろ、元気な人が、自分らしく生きるための準備でもあります。
「まだ元気だから」ではなく、「元気な今だから」そう考えてみると、少し見方が変わるかもしれません。
次回は、
遺言の本当の役割について考えてみます。


